相続税の申告について

相続税の申告は10カ月以内です。

相続の開始は被相続人の死亡が認められてからです。
相続税申告はこれより10ヶ月以内に提出する決まりになっています。
相続人がこれを怠ると無申告加算税や延滞税などが課せられることもあるので、相続のあれこれを理解しておくことが大切です。

相続税はいつ申告して、いつどこに納付するのか?

まず相続税には基礎控除額があり、これを超えた分に関して相続税がかかってきます。
基礎控除額はこれまでの 5,000万円から 2,000万円も下がり、現在では、3,000万円となっています(2015/1/1から実施)。

相続税の申告は被相続人の死亡時の現住所を所轄する税務署に提出しなくてはならず、また納付は基本現金で支払わなくてはいけません。
ですが相続税の確定は遺産分割が決まってからなので、10ヶ月以内に決まらなければ各々の相続人が法定相続分に従っていったん相続税を支払い、遺産分割が確定したら過不足を清算するようになっています。

相続税の計算方式は?

仮に被相続人の遺産総額が1億円とします。
そこに法定相続人として妻、子供2人とすると、相続税総額1,450万円を分割することになります。
下記表参照。

法定相続分 課税対象額 税率 控除額 相続税
1/2 5,000 万円 20% 200 万円 800 万円
長女 1/4 2,500 万円 15% 50 万円 325 万円
長男 1/4 2,500 万円 15% 50 万円 325 万円
相続税総額 1,450万円
長女 長男
法定相続分 1/2 1/4 1/4
課税対象額 5,000 万円 2,500 万円 2,500 万円
税率 20% 15% 15%
控除額 200 万円 50 万円 50 万円
相続税 800 万円 325 万円 325 万円
相続税総額 1,450万円

実際は遺産分割により、これを法定相続割合で按分します。
下記表参照。

総相続税額 法定分割割合 相続税 税額控除(妻のみ) 相続税

1,450万円 1/2 725万円 725万円 0万円
長女 1,450万円 1/2×1/2 362.5万円 0万円 362.5万円
長男 1,450万円 1/2×1/2 362.5万円 0万円 362.5万円
相続税総額 725万円
長女 長男
総相続税額 1,450万円 1,450万円 1,450万円
法定分割割合 1/2 1/2×1/2 1/2×1/2
相続税 725万円 362.5万円 362.5万円
税額控除(妻のみ) 725万円 0万円 0万円
相続税 0万円 362.5万円 362.5万円
相続税総額 725万円

妻は法定相続分に対する税額控除があり相続税がかからなくなり、子供は各々362.5万円の相続税がかかる計算になります。

さらに相続人間で遺産分割が法定割合で行われないとしたら、この計算式のように単純なものではなくなります。
相続税は専門家に相談して、事前から準備しておくのがいいでしょう。

相続税申告に必要な書類

プラス財産に関係する書類について

主に動産、不動産などの証明書などになります。

※土地・建物→全部事項証明書(登記簿謄本)、固定資産税評価証明書、実測図 etc
※上場株式→株式コピー、家族全員の最近5年間の取引明細、配当金通知書 etc
※現預金→預金残高証明書、通帳のコピー(被相続人、家族全員) etc

さまざま用意することになっています。

マイナス財産の関係する書類について

マイナス財産は特に注意しておかなくてはいけません。
相続すれば債務などを引き継ぐことになり、相続税とは別の悩みを抱えることになります。

※借入金には貸借契約書のコピーや銀行の預金残高証明書など
※未払金→請求書や領収書(医療費、保険料など)
※未納税金→課税通知書など

ほかにも

財産に関連しない書類も必要

ほかにも3年以内の贈与に関する書類、被相続人の所得税のコピー、源泉徴収票や収入明細。
さらに不動産の名義変更に関する書類として、戸籍謄本や住民票、印鑑証明とかなりの点数の書類が必要なことがわかります。
これを個人で行うのはとても大変な労力を使うとともに、遺産分割などで揉め事になることが少なくありません。
事前の相続対策をしておくことこそ、万全の準備といえます。

納税と物納について

一度に現金で納められないときは

 

相続税は基本現金での納付が義務付けられています。

ですが突然の被相続人の死去に伴い多額の現金を納めなくてはならない場合もあります。
相続税は延納や物納も認められていて、相続税かが10 万円を超える場合、50万円を超える納税額の4年以上の延納期間に対する担保が提供できる場合、さらに相続税の納付期限までに延納申請書を提出した場合などに許されています。
ただし年3.6〜6.0%の利子税が伴うために慎重な検討が求められます。

 

また物納に関しては、国債、地方債、不動産、船舶、そして社債、株式、有価証券、そして動産も時価が認められれば物納として納めることができます。
物納は相続開始から 10 ヶ月以内に物納申請書を税務署に提出する決まりになっていますが、一定期間内なら現金納付に切り替えることもできます。

相続税が還付されることも

納めるだけではない相続税

相続税の申告で金額が決定したのちでも、相続税の還付ができる場合があります。
財産評価を経験値の少ない者が行うと、評価を高くしすぎてしまうことが起こります。
これには適正な財産評価のもとに、相続税を還付させる確かなスキルが必要になってきます。
さかのぼること 5 年までなら還付を受けられますので、気になる方は遠慮なくご相談ください。
これまでに培った数々の経験値が、確かな財産評価を導き出し、相続税還付を実現できるメリットを導き出します。

上坂幸三税理士事務所へのQ&A

※とにかく相続に関することがわからない

※相続申告をする理由が不明

※何から始めればいいのか

などたくさんのご相談や質問にお答えするコーナーです。個別の質問は無料相談もお受けできますのでお気軽にご相談ください。

Q

誰が相続できる権利を持っているのか?

A

遺産を相続する人物は、法定相続人として法律で決められています。
配偶者、直系血族、兄弟姉妹が該当する人物です。
相続順位の筆頭は子供で、子供がいない被相続人を継承する場合や、子が死亡している場合は、孫以下の直系卑属が相続人の権利を得ます。
配偶者は常に相続人として相続権利を持っていますし、法定遺産分割割合でも1/2を持つのは配偶者だけになります。

Q

相続税がかからない財産はありますか?

A

相続税がかからない財産としては、墓地、仏具、神具などがありますが、投資目的の品は相続対象財産になってきます。
そして死亡保険金のうち、500万円×法定相続人の数までの金額は相続税がかかりませんし、死亡退職金も同じように 500 万円×法定相続人の数までの金額にも相続税はかかりません。
さらに国や地方公共団体に寄付した財産は相続税の 対象にはなりません。

Q

内縁の妻(事実婚)では遺産相続ができないのですか?

A

正式な婚姻関係でなければ相続をすることはできません。
ただし被相続人に相続人が存在しない場合は特別縁故者として遺産分与を請求できることもあります。

Q

養子縁組の子供は相続できるでしょうか?

A

民法によると養子縁組は摘出子と同等の身分とされますので、離縁するまでは子としての相続権が発生します。
さらに実父母へも相続権、相続分を有することになります。
ただし相続税の計算上、法定相続人に算入される養子の数が制限される場合もあります。

Q

どのような債権が相続財産から差し引けますか?

A

主に被相続人の、借入金、未払金の債務、さらにお葬式代金などが相続財産から差し引くことができます。
これをしっかり把握することで、相続税を安くあげることにつながります。